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穂積皇子の歌四

 
 穂積皇子が但馬皇女の死を悼んで「降る雪は あはにな降りそ 吉隠の・・・」という歌を

詠んでどれくらいか月日が過ぎました。

やはり穂積皇子にとって但馬皇女の死は重かったようです。

ある宴席で詠んだ歌は本音でした。

  
      万葉集 巻第十六・三八一六

  「家にある 櫃(ひつ)に鍵さし 蔵(をさ)めてし

                恋の奴が つかみかかりて」

〜家にある櫃にちゃんと鍵をしめて仕舞い込んでおいてあるはずなのに

       あの恋の奴めがしつっこくまたまた喰らいついてきやがって・・・〜


「櫃」は長方形で蓋のついた大型の木箱のことです。

これは脚付きのものもあり、衣類や布団、財貨などを収めるのに用いた箱です。

「恋の奴」は自らの恋心を擬人化しさげすんでいます。

もう但馬皇女はこの世にはいない、忘れようと努めていましたが

忘れられないのです。

「つかみかかりて」・・しつっこく時々に自分に喰らいついてくる・・

思い出されるなどという軽いことではなく

喰らいついてくるという表現にすざまじさを感じますね。

宮廷の人達はこの二人の事は承知していたので

お酒が入り宴もたけなわになってくると

気が緩みつい本音の歌ができたのでした。

記述に「好みてこの歌を詠み、もちて恒の賞(めで)と為す」

好んでこの歌を吟唱しそれをお定まりの出し物となさっていたものである

とありますので宴席で時々口にしていたのだと思われます。

その後の穂積皇子ですがみんながこのような状況を心配してか

十代の大伴坂上郎女と結婚しますが程なくして

霊亀一年(七一五)穂積皇子は四十九歳で亡くなります。


この歌は皆の前で公表していたのですが、この歌以前の

但馬皇女の四首と穂積皇子の三首の歌はそれぞれの下に贈られた可能性はあります。

それぞれが誰にも見せるなどということはなく大切な箱に納めて

仕舞ってあったのだろうと想像しています。

万葉集にこの歌があるのはそれぞれの死後に周りの人達によって

悲恋の二人の歌として残されたのだろうと思います。

この二人の悲恋の歌はきちんとブログに留めておきたいと思っていました。

たった二人の八首という少ない歌でしたが恋をして

どれだけもがき苦しんだものかはわかりませんが

二人は出会い、ありふれた恋ではなく

短かったかもしれませんがお互いを強く引き合う恋をしていたという

事実に慰められます。














 
posted by: y-sakurada | 万葉集 | 11:48 | comments(0) | - | - | - |